2/23/2010

© Clive Rose／Getty Images North America

「勝ったんだ!!」とわかってはいても
実際に胸にかかる金メダルを見ると、感激もひとしおです。
ついについに、オリンピック・ゴールド・メダリスト&ワールド・チャンピオン!!

わたしには、恥ずかしながら競技についての知識はありません。
でも、そんなわたしを5年間も応援させてくれ
「アルペンスキーってすごい!! おもしろい!!」と
教えてくれたのはボーディ・ミラーです。

「なんだかわからないけど、他の選手とはぜんぜんちがう!!
なんだかわからないけど、とにかくスゴイ!!」
これが、ボーディを初めて観たときの印象。

残念ながら、基本的にはそれからなにも変わってないんですが、、
好きになるなんて思いもしなかったスポーツを
こんなに一生懸命観るようになるとは
夢にも思いませんでした。

だから、ボーディには感謝してます。
心から応援する楽しみ、一喜一憂するよろこびを
ほんとうにありがとう!!

2/22/2010

© Herald Tribune

アルペンスキー男子滑降の銅メダル、
スーパー大回転の銀メダルにつづき
Bode Miller がついについに、スーパー複合で金メダル!!!

トリノのときとは比べものにならないほど
期待がうすかったバンクーバー。
ふたを開けてみれば、
いままで行われたアルペン競技すべてでメダル獲得
という大快挙!!

「メダルなんて重要じゃない。自分が楽しむことが大事」と言いつづけたきた
憎まれっ子のボーディ・ミラー(ボード・ミラー)ですが
そこにあったのは
「すばらしいレースをしなければ、メダルを獲ったとしても意味がない」という信念。
ただ、いきがっていたわけじゃないんですね。
でも、その意図がただしく伝わっていなかったのは事実。

バンクーバーオリンピックでは
記者会見の態度を見ても、報道されるコメントを読んでも
あきらかにいままでとはちがいました。
ケガのため、満足に練習できなくても
(いまも左足首は腫れているそう…)
なにがなんでもいい滑りをする、という決意が感じられて。

だから、男子フィギュア・髙橋大輔選手銅メダル!!!の感動が
まだまだ残っているなかのこの金メダルには、ホント朝から涙。
後半のスラロームがおわったとき
ものすごくホッとしていたボーディを見て
「こんな顔するんだ。。」と、それだけで感激しちゃいました。

ワールドカップ通算32勝。
名実ともに世界を代表するアルペン選手― ボーディにとって
これが初のオリンピックの金メダルです(感涙)

今回会場に駆けつけているお父さん* は
こんなふうにおっしゃっています。
* ボーディのレース前後カメラに映る、サングラスをかけていらっしゃるかた?
「彼の肩には、たしかになにかがかかっていた。
彼にとっては楽しむことがなによりだったんだけれど
それをなくしてしまっていた。
～
ずいぶん前に転戦中のボーディを見たとき
『スキーする喜びをなくしてしまったようだね』と言ったんだ。
『もしハッピーでなかったら、うまく滑れっこない』と。
それが、トリノでのキーポイントだった。
～
(アルペン複合を終えたとき)ボーディは楽しんでた。
それが顔に出ていたよ」

トリノから4年。
競技生活最悪の成績に苦しみ、ケガをして、引退も考えて。
そのうえで、ようやく掴みとったオリンピックのメダル。
しかもひとりで3色!!
ボーディ、ほんとうにおめでとう!!!

» Bode takes gold in super combined
» Bode finally earns Olympic gold

「いろんなものすべてを棚上げして
ただ子どもみたいにレースを楽しむのは
信じられないくらい難しいことだよ。
年寄りたちがどんなことを言うかなんて考えない。
ただ進みつづけるんだ、
速く滑るのが大好きだから、努力するのが大好きだから。
それはかけがえのない思いなんだよ」

「信じられないよ。これ以上は望めない。
ほんとうに完璧だよ。
～
(ゴールしたとき) 自分が勝つとかメダルを獲るとか
全然わからなかったんだ。
あんなふうに滑れたことに、超超興奮してた。
～
オレは100%の気もちでスキーした。
ほんのちょっとだってためらわなかった。
それってサイコーだよ。
ほかに言うことなんてない。
どんなふうにやり遂げたか、どんなふうに滑ったか。
これからの人生でずっと誇りにしていくと思う」

2/16/2010

© Los Angeles Times

アルペンスキー男子滑降で
トリノ・オリンピック前から応援しているアメリカの選手
― Bode Miller が銅メダルを獲得 しました!!!
» Bode Takes Downhill Bronze; Fans Embrace Bode
» Defago surprises, Miller impresses in downhill

じつは、ここまでくるのには長い道のりがあったんです。
まずは、ボーディ・ミラー(ボード・ミラー) 選手* のプロフィールを紹介しますね。
* 日本ではボード・ミラーと表記されていますが、ご本人は「発音はボーディ」と言っています

ボーディは、US ニューハンプシャー州の森の中
スキーが盛んなコミュニティでヒッピーの両親の元に生まれ
水道も電気もない丸太小屋で育ちました。
小学生のころご両親が離婚するまで、自宅学習で教育を受けていたんです。
家の周りの大自然でスキーを覚えた、というまさに野生児！

スキーには幼いころから才能を見せ、奨学金を受けていましたが
テニス* とサッカーもつづけています。
そういえば、1日だけアメリカ・カナダリーグの野球チームでプレイし
チケットの売上を寄付したこともありました。
ようするに、スポーツ万能ってことなんでしょうね。
* 州のチャンピオンになった腕前。バンクーバー・オリンピック後はUS オープンに挑戦するとのこと

2001年ワールドカップのレースでの初勝利から、華々しい活躍を見せました。
ソルトレイク・オリンピックでは、スーパーG と複合で銀メダル。
その後も次々と良い成績を収め
2005年にはアメリカ選手として22シーズンぶりに、ワールドカップの総合チャンピオンに!

しかし、金メダルの有力候補として大注目され
期待を一身に背負って出場した翌年のトリノ・オリンピックでは
まさかの無冠におわりました。。

もともとからメディア受けが悪く(泣)
不遜な態度が取りざたされていたボーディは、
オリンピック後に
「サイコーの2週間だったよ。オリンピック・レベルでパーティして楽しくやって」と発言し
写真の流出や成績不振とあいまって、一気に批判の矢面に立たされました orz
オリンピックへの敬意と礼儀をを欠いた態度, パフォーマンス、と報道され
「オリンピック史上最悪の大失敗」と言われるまでに…

翌年には、意見の相違からアメリカのナショナルチームを離脱しました。
自分のチームを興し、2008年シーズンにそれなりの成績を残したものの
2009年には不振がつづき、足首を負傷。
引退も匂わせ、一時競技から離れてしまいます。

しかも、私生活では
いとこが警官を殺害しその様子を目撃していた人に射殺される、という悲劇に見舞われ
元GFとの間に娘さんをもうけて、未婚の父にもなりました。

あれだけ注目されて、まさに”スポットライトのあたるスポーツ・セレブ”だった彼が
その後、こんな険しい4年間を歩むことになるなんて…

その後、2009年にナショナルチームに復帰。
憎まれ口ばかり叩いていた人が
まがりなりにも競技やチームへの情熱, 貢献を語るようになりました。

2010年。
「ボーディは過去の選手」、「オリンピック出場はない」と報道されるなか
1月のワールドカップで約2年ぶりの勝利!!!
バンクーバーでは全5種目にエントリー しています。
彼にとって初めての、”期待されない、注目されない”オリンピック。

そして、今日、アルペン男子滑降で銅メダルを獲得したんです!!!!!
途中までは首位!!
しかも、「金メダル～銅メダルまでのタイム差は、オリンピック史上最小 」だったそうです。

ソルトレイクの銀より順位は落ちるかもしれない。
でも、その重みは、きっと比べものにならないはず。

ボーディに批判的な人が多いのは事実なようです。辛口のメディアも。
過去の発言や行動は変えられないし、当然なのかもしれません。
でも、「オリンピックなんて自分にとってはなんでもない」なんて言ってた人が
「スタート前は緊張して、ほんとうにいいパフォーマンスをしたかった」と
言うようになるまでには
きっと大きな内面の変化があったんだろうな、と思うんです。

憎まれっ子の問題児だけど、なにか魅力があるボーディ。
全然知識のない競技の、しかも外国の選手を
こんなに長い間応援しているのは、惹かれるものがあるからなんですよねぇ。

アルペン競技はまだまだつづきます。
明日2/17は、一番金メダルを獲れる可能性が高い、といわれているスーパー複合。
あーー、早起きして応援しなきゃ!

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